「鬱」と「本」をくっつけたのは、本の力を信じているからです。一冊の本として『鬱の本』を楽しんでいただくとともに、無数にある「鬱の本」を知るきっかけになれば、生きることが少し楽になるかもしれないという思いがあります。
『鬱の本』(点滅社)「はじめに」より
84名の筆者の方々が書いた、それぞれ見開き1ページの短い文章で構成されています。
トップバッターの青木真兵さんはこう書いています。
気分として、病気としての「鬱」はこれに対するアラームです。だから本来、人間は「鬱」をベースに社会を構築するべきなのです。そうすると、もっと生きやすい社会になっていくのだと思っています。
青木真兵「「鬱」ベースの社会に」『鬱の本』p13
「鬱」をベースに社会を構築するべき…!!
そんな社会が実現できたらどんなにいいだろう…と思わずにはいられませんでした。
鬱がひどいと活字を読むのも厳しくなりますが、一編がとても短いですし、こんな風にワンフレーズを拾い読みしてもいい。
「はじめに」にも書かれていましたが、お守りになるような一冊です。
表紙の色味やイラストの雰囲気も、なんとも言えない温かさ。
こちら、今月の雨晴文庫のイベントで販売出来ることになりましたので、手に取ってみたい方はぜひお立ち寄りくださいね。